前回の記事。
昨年7月頃に、シフト操作のミスでエンジンが壊れたタウンメイト。変形した排気バルブとピストンリング、ステムシールなどを交換した。
修理後はまた以前のように元気に走っていたのだが...
先日、また「壊れた」と連絡があった。どうもまた前回と同様、4速からニュートラルを経由してそのまま1速に入れてしまったらしい。
軽トラの荷台に乗って運ばれてきた車体の状態を見ると、キックを下ろしても圧縮が全くなくエンジンが始動しない。
とりあえず、どこが壊れたのか分解して原因究明。
キャブとマフラーを外してヘッドを取る。
ヘッド。もうこの時点でどこが壊れたか分かる。
どうやらまた排気側に当たったらしい。バルブが曲がって隙間が空いている。
ということで排気バルブを交換する。
ロッカーアームのカラーは手で引っ張っても簡単には抜けないが、ホームセンターのステーとボルト、ナット(M8)でこのような工具(?)を作ると苦労なく外すことができる。
ロッカーアームが外れた。ここにはダメージなし。
続いて「バルブスプリングコンプレッサー」を用いて排気バルブを外す。
これが問題の排気バルブ。前回よりも多めに曲がっている。
こちらは問題ない模様。
燃焼室側。なんと…欠けている…曲がったバルブが無理やり引っ込んだせいでヒビが入ってそのまま一部が割れたらしい。
その他、ピストンにもバルブがヒットした跡がくっきりついていた。
通常ならピストンとエンジンヘッドをダメージのないものへ交換する必要があるが、今回はこれ以上修理にお金を掛けられないので、変形した排気バルブのみの交換で対応する。
バルブは部品番号「22K-12121-01」でまだ新品が出るようである。
雑にすり合わせをして元のように組付けた。パーツクリーナーが漏れ出てこなければokといういい加減な基準。次はバルブコンパウンドと光明丹を買おうと思う。
ヘッドの一部が破損していたが、バルブが引っかかるなどということは手で動かした範囲では無いようであった。
バルブとロッカーアームを組んだらヘッドを元に戻す。
フライホイールのTマークとカムの印が合うように。
完了。
キャブレターやマフラーを取り付けキックしてみると一発で始動した。あちこち破損していて心配だったが、特に問題はなさそうである。
故障前とパフォーマンスは変わらず、60km/h巡行も難なくこなし最高速もそれなりに出る。下道を走るなら十分な性能だろう。
もうダメかと思われたが2000円の部品代のみでまたもや直ってしまった。
今度は前回とは異なりバルブ以外の部品に幾らかダメージがあったので、これからしばらく走る上で何か異常が出ないか少し心配ではある。
~おしまい~