以前友人が購入し、整備をした2ストエンジンのYB-1。
ある日、ybで出かけている友人から電話があった。どうもクラッチが突然切れなくなってしまったらしい。詳細を聞くと走行中、シフトチェンジの際にクラッチを握ったところ「バン!」と音がしてクラッチレバーがスカスカになったとのこと。
思えば、納車時からクラッチのキレが悪かった。グニャ~とした握り心地でどこで繋がるのか分からない感じであった。
クラッチワイヤーがどう調整しても余ってしまう状態らしく、このときはワイヤーがほつれて伸びたのではないかと予想。ワイヤーが結構高いので買う気になれずしばらく目いっぱいまで調整してごまかしながら乗っていたが、ようやく修理することになった。
とりあえずクラッチワイヤーが繋がっている方のクランクケースを開けてみる。
これがクラッチを切る機構。
写真中央のレバーがクラッチワイヤーに引っ張られ時計周りに回ることで前方に出てくるようになっている。これがエンジン側のクラッチにつながっているロッドを押すことでクラッチが切れるという仕組みになっているようだ。写真を見てもらうと分かるが、レバーを引っ張っているバネが不自然に伸びているのが分かる。
当初心配していたクラッチワイヤーには何の以上も見られなかった。
故障していたのは「プッシュスクリュー」という部品でこの図でいうと19番。クラッチワイヤーがレバーを引っ張る力をクラッチを押す力に変換する重要な部品である。使用頻度が多くかつそこそこの力が加わるパーツであるにも関わらずプラスチックで出来ている...
案の定経年劣化が進み、クラッチの力に耐えられず変形しヒビが入って割れていた。走行中に「バン!」と音がしたのはこのパーツが限界を迎えて弾けた音であったようだ。
ヤマハのパーツリストを見ているとこの部品だけ対策品が販売されている。ここの故障はYBの持病であるようだ。
スクリューのみ単体でも買えるがレバーへの圧入の手間を考えると組付け状態で売っている対策品を買うのもアリ。今回はこのASSYを買った。
早速新しい部品と交換する。
適当にグリスを塗って
元のように戻すだけ。
伸びたバネは今回手に入らなかったのでそのまま、伸びていても使えるのでよしとする。一応まだ在庫はあるらしい。
ということで、クラッチの修理が完了した。納車時からのキレのないクラッチフィーリングも改善し、カチッとした握り心地になった。
~完~