最近、古いスーパーカブを買った。
以前、山中でタウンメイトのエンジンがブローした時、メイトを回収しに行くついでに道中の廃品回収業者から3.5万円で購入した。
最近はネットの普及で簡単に相場が分かるので、こういう業者も結構高い金額を提示してくるようになった。かえって田舎のバイク屋で不動車を見つけて買ったほうが状態も良いし価格も安い。それでも同じものをヤフオクで買うよりは安い。
今回買ったのは一般的に「行灯カブ」と呼ばれる60年代後半~70年代の車体で、あだ名の通りポジションランプが行灯のように光るらしい。もう今の時代行灯なんて使ったことはおろか実物を見たことすらないので、私が見ても「行灯みたいだなぁ」とはおそらく思わないだろう。愛称自体に時代を感じる。
エンジンがOHVからOHCに変わった頃のかなり昔のモデルだが、結構よく走るらしい。
右から。この年代のカブの特徴はやはり別体式のガソリンタンクとモナカマフラー。
前から
ハンドル周り
ぱっと見た印象は最近のものとあまり変わりがないが、ハンドル径が若干細い。
マフラー周り。
マフラーはどうやらもうダメそう。完全に腐って中が詰まってしまっている。取り外して振ると腐って土みたいになった鉄がぎっしり詰まっているような感じがした。
リアブレーキ周辺も構造は今と同じだが、細かい作りが異なる。
左サイドカバー、味のあるかわいらしい作り。カバーがプラスねじで留まっているのが少し嫌(舐めるので)。
とりあえず、エンジンを掛けてみる。
レッグシールドを外して、キャブレターを掃除する。
レッグシールドを外すと、最近のカブにはない、見たことのない部品がたくさんある。
この黒い胃みたいなのはインテークチャンバーで、見た目の通り「胃袋」と呼ばれているらしい。
キャブレターもダウンドラフトタイプとかいう上から吸気して混合気がそのまま下に抜けていく珍しいタイプ。「縦キャブ」と呼ばれる。
何が悪かったのか、スーパーカブでもかなり初期の頃にしか採用されていない。
なんだこれ...構造が全く違う...
これはフロート、つまようじみたいなのはフロートバルブ。
ガソリンの流入によってフロートが浮き上がり、フロートについてるこの芯が流入口を塞ぐという仕組み。
チョークバタフライ
残りの構造はよく分からない。
キャブクリーナーで掃除して再度取り付ける。
ガソリンタンクの中。若干の錆はあるが50年前の個体であることを考えると状態はかなり良い方だろうと思う。
オイル交換も忘れずに。
キックを下すとプラグに火花が飛んだ。点火系は生きているようである。
6Vポイント点火、なんとなくCDIの火花より淡い色の柔らかい火花に見える。
プラグの型番はC5HSA。
プラグの汚れをふき取って再度装着し、何回かキックするとあっさりとエンジンが始動した。流石スーパーカブ。
当たり前だが、よく聞くスーパーカブの音がする。
一点気になったのが、ヘッドライト以外の灯火類が一切点灯しないこと。
電球を新品に交換しても一切点灯しなかった。
後日、色々外して充電電圧を測ってみると、どうやら故障しているらしい...
購入して以来、どうやって直そうかあれこれ考えている。どの程度まで部品を新しくしようか、車体は再塗装するかそのままにするか、電装は12Vにしようとか、ボアアップして70ccで乗ろうとか...
この直す前の時間が一番楽しいのですぐにやってしまわないでゆっくり時間をかけて直していこうと思う。
~つづく~