前回の記事。
akiyuki2119067018.hatenablog.com
ヘッド。ロッカーアームとカムを外したところ。
ロッカーアームはカラーで止まっている。カラーにはM8のネジが切ってあるのでM8のボルトをねじ込んで引っ張るようにすれば外れる。
バルブスプリングコンプレッサーでバルブを外す。
外れたバルブ。
こちらは排気側だが、オイル上がりを起こしているのもあって走行距離の割に汚れている方ではないかと思う。
バルブスプリング。
一見上下の向きは無さそうに見えるが、緑色の塗料が塗ってあり向きが区別されていた。塗料がついている面が上らしい。
掃除には以前使ったガスケットリムーバーを使う。
バルブもガスケットリムーバーにつける。
結構きれいになった。
ベトベトのピストンも
同様にきれいにする。
一通りきれいになったら元に戻していく。
まずはヘッドから。
バルブステムシールを取り付け。一つ300円くらいと安い割に大事な部品かつここまで分解しないと交換できないパーツなので新品にした。
部品番号は「12209-GB4-681」
バルブをかるく擦り合わせた後、スプリング等を組み元に戻していく。
続いて、ロッカーアームやカムを取り付ける。
ロッカーアームのカラーを入れたらヘッドのサイドカバーを取り付ける。
ガスケットを綺麗にはがして新品に交換した。
これでヘッドは完了。
続いてピストンリングの交換。
メッキがトップリング、黒くガサガサしたようなのがセカンドリングである。それぞれ上下があるので刻印がある方を上にして取り付ける。
リングの合口が被ると圧縮やオイルがそこから抜けてしまうのでずらすようにする。3方向、120°ずつずらすとよいらしい。
やや不安の残るシリンダー。錆びた部分が削れて若干段差ができているようである。
この段差がオイル上がりの原因ならピストンリング交換では治らないかもしれない。
ピストンをシリンダーに入れていく。個人的には先にある程度ピストンをシリンダーに入れてしまってからコンロッドに取り付ける方が楽に組める。
ピストンピンを入れてクリップで留める。
シリンダーが入った。
続いてヘッド。
カムスプロケットを取り付ける。
フライホイールのTマークをカバーの切り欠きに合わせたとき、カムスプロケットの印とヘッドの切り欠きが合うようにする。
ヘッドの蓋をつけてボルトを締める。
4本あるうち、オイルが通る左下だけ銅ワッシャー。
ここのナットのトルクは0.9~1.2kg-m。
ヘッドカバーには矢印がついているので矢印の向いている方を下向きにする。
シリンダーの側面部にも2本ボルトが通っているが、このヘッドのスタッドボルトを締めた後に締めこむようにする。
残りの作業をする。
出来た。
エンジンをかけてみると、リング交換前よりも音が軽快で調子がよい感じがする。
ただ、肝心のオイル上がりが微妙に治っていない...アイドリング状態ではあまり問題無いが少し吹かすとやっぱりマフラーから白煙が出てくるようだ。
ついでに異常に暗いヘッドライトも修理する。
電球が切れかけているのかと思ったらレギュレーターの故障だった。
ヒューズが切れたり、バッテリーが上がったりという以外の症状でレギュレータが故障している時が割とあるので、電装が急におかしくなったらレギュレーターを交換してみると治るかもしれない。
今回、オイル上がりの修理のためピストンリングを交換したが、結果として完治できなかった。走行距離7000km程度なのでピストンリングの消耗ではなく、他に原因があったのだと思う。多分シリンダーである。純正新品は1万円以上するし、社外の50ccシリンダーは売っているのを見たことがない。さて、どうしたものか...
~完~