以前、納車時の整備をしたスーパーカブ。
akiyuki2119067018.hatenablog.com
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納車から10ヵ月近く経ったが、今のところ目立った故障もなく走れている様子。
しかし、1つ問題がある。
妙にエンジンオイルが減るらしいのである。大体2000kmで400mLほど消費するらしい。前回のオイル交換時にはゲージ一杯までいれたはずのオイルがほとんど入っていなかった。
これは確実にオイル上がりかオイル下がりを起こしている。
「オイル上がり」はシリンダーの傷やピストンの摩耗などが原因でクランクケース内のエンジンオイルが燃焼室まで上がってくる現象、「オイル下がり」はエンジンヘッドの吸排気バルブの付け根にある「ステムシール」と呼ばれる部品の不良によりヘッド内のエンジンオイルが燃焼室に下がってくる現象である。
症状の出るタイミングやオイルの消費の仕方などに若干の違いがあるらしいものの、両方ともマフラーから白煙を吹き、エンジンオイルが減るという点で似通っており非常に判別しにくい。
ちなみに以前同様の症状が出たタウンメイトはオイル上がりだった。
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今回のもおそらくはオイル上がりであると思うが、せっかくなのでオイル下がりの対策もしようと思う。
作業項目としてはピストンリングの交換と、ステムシールの交換を行う。
と、いうことで作業開始。
エンジン腰上を開けるための準備をする。とりあえずオイルを抜く。
続いてキャブレター。インマニの結合部とパイロットスクリューに何やらオイルのようなものが溢れてきたような形跡がある。
スーパーカブの燃料コックは何故キャブレターに合体しているのか...整備しにくい。
マフラーも外す。
内部が以前にも増して煤まみれである。心なしか重くなったような気もする。
できれば交換したいところだが、50ccにあう社外マフラーが少ないので今回は変えなかった。
ようやくエンジン本体に取り掛かる。
まず、カムスプロケットカバーを外してカムを取り外す。
一応、フライホイールのTマークをクランクの切り欠きに合わせておく。
別に合わせなくても問題ない。
カムスプロケットのボルトを緩めて、
カムスプロケットを外す。
カムチェーンは奥に落ちないように針金か何か引っ掛けて置くとよい。
ヘッドのボルトを外していく。
ここのナットは左下のみ銅ワッシャー、残りはスチールワッシャーで右下のみ普通のナットである。
中央の4本以外、左側面にもボルトがある。
ヘッドを外す。
湿ったようなカーボンが大量に付着している。写真左上の赤いシミはサビだろうか。
つづいて、シリンダー。
ピストンにもカーボンが多く付着している。
こちらも同様に左側面のボルトを外す。
あとここも。このボルトはカムチェーンガイドローラーの固定ボルト。
シリンダーが外れる。
外したシリンダー。
なんと内部が錆びている。写真に映っていない奥の方にもサビの痕跡があり、それが削れて周囲と僅かに段差になっているようだ。
おそらく放置されている間にシリンダーの内部が錆びており、再びエンジンを動かした際にピストンリングに削り取られたのだろう。その時生じた段差がオイル上がりの原因になっていたのではないか。
何にせよこのサビはどうにか落とさなければならない。
最後にピストンを外す。
ピストンピンクリップを外した後、ピストンピンを引き抜く。
ピストンだが、側面にまで汚れが広がっている。どうもオイル上がりを起こしているピストンはこうなるらしい。ピストンリングも摩耗していたが、そこまでではなかった。
以上でエンジン腰上の分解作業は終わり。
次回以降はヘッドのオーバーホール等をしていく。
~つづく~