先日、隣の市まで出かけていたとき、小さなバイク屋の前を通りがかったのでふと寄ってみた。いかにも何も売っていなさそうな田舎のバイク屋ほど良いバイクが眠っていたりするもので、ベンリィで味を占めてからというもの、バイク屋を見かける度に中を覗き込んでいる。
そしてなんと今回は大当たり。2ストのYB-1が、それもかなりきれいな個体が置いてあるではないか。
すぐに店の人を呼んでこれは幾らで売っているのか聞いてみたところ4万円と言われた。
これは安い。
ヤフオクでも相場が10万円、グーバイクでは物によって20万円を超えるYB-1である。それが4万円は破格値だと言っても過言ではないだろう。
しかも近いので頑張ったら取りに行ける。
正直めちゃくちゃ欲しかったが、もうすでに車庫がバイク屋みたいになってきているので残念だが私は買えない。じゃあこういう時に我々のような人間がどうするのかというと大体、周りの人に「買ったらどう?」と勧めて回るのである。
早速、以前「YB-1欲しいよね」と話をしていた友人に連絡すると、「買う」と返事が返ってきた。
後日、その友人と、そして若干の罪悪感と共に実物を改めて見に行った。
見たところ燃料計の付いていないYB-1初期型、20年以上前の個体なので若干の汚れ、錆などはあるものの、転倒跡や目立った傷、凹みはなし。もちろん欠品もなし、キックは降りる、圧縮もある、そして走行距離なんと1700km台というかなりの良個体である。
これには文句なし。どこのバイク屋に行っても「50ccといえどもMTなら15万以上はするよ」と決まって言われていた時のことを思うと、何とも感慨深いような気さえした。
この日は「買います」とだけ伝えて店を後にした。
そしてその週末、意気揚々とYB-1を取りに行った。
カッコよい。
流石に今日すぐにはエンジンはかからないだろうと思っていたが、店主が何やらごそごそし始め、気が付くとエンジンが掛かっていた。
エンジンが掛かるので今回はかなり楽そうだ。
軽トラに乗せて持って帰る。
「これはなんぼでも出ますわ」と口を開く度に言っていた店主もなにやら嬉しそうである。ちなみに「これはいくらの値段をつけてもいくらでも売れますわ」というニュアンスの意味である。
道中。
無事に帰ってきた。
せっかくなのでYB-1とそっくりなベンリィ50sと並べてみる。
こうして見るとYB-1のほうがビジネス臭が無く、カッコいい。
そんな訳で、エンジンも掛かるし走れもするがしばらく預かって納車整備をすることにした。
次回からは一度車体を分解して清掃し、また組み上げる作業をしていく。
~つづく~