こんにちは。
8月も終盤に差し掛かり、海水浴シーズンも終わってしまいましたね。
今回は2度目の探索です。
akiyuki2119067018.hatenablog.com
前回は一体どの方角に泳いでいるのか、岸から何mの場所にいるのかなどが全く把握できませんでした。
その対抗策として今回は.....スマホを持って泳ぎます。
家電量販店にスマホの防水ケースが売っていました。
水中には入れるなと書いてありましたが、それなりの防水規格に合格しているものらしいです。もともとスマホのほうも30cm程度の防水性能があるので多分大丈夫。
結果からいうと、まったく問題ありませんでした。
緯度、経度を表示してくれるGPSアプリを使って狙ったポイントに行こうと思います。
場所は前回の記事でも紹介したこの浅瀬。
(海上保安庁刊行 W1174)
今回の目的はこの浅瀬の底がどうなっているのかということと、湖底の掘削範囲外である旧海岸線から1km地点まで泳いでたどりつけるかという検証です。
台風が去った翌々日の日曜日。運よくこの日は波がなく泳ぎやすそう。
少なくとも前回よりは水がきれいです。
装備を固め、いざ入水。
こういう海水浴場でない場所を長時間泳ぐときは絶対に2人以上で、なるべくウエットスーツ生地の長袖、長ズボンで泳ぎましょう。小さい頃なんかはライフジャケット着て泳いでました。
GPSアプリと魚探を頼りに海図から測った座標を目指して泳ぎます。
相変わらず水は汚いです。透明度は2mくらい。自分の足の先がようやく見えるくらいです。
ミズクラゲがいっぱいいます。
ミズクラゲに刺されたという話はめったに聞きませんが、一応毒があるようです。
こういう時も長袖、長ズボンだと安心です。
コンパスで方位を見ながら、ひたすら南西に向かって泳ぎます。
岸から150mくらいの位置から急に水深が深くなりました。掘削範囲に入ったのです。
(海上保安庁刊行 W1174)
そのまま泳ぐこと約20分。水深は再び6mへ。どうやら例の浅瀬に乗ったようです。
潜ってみると湖底はただの砂。湖底付近は海水が流れていて、所々茶色がかっています。生き物も少なく、まっさらな砂地です。
泳いでる様子。
水が濁っているため、海面付近からでは底が全く見えません。これでは探しようがないですね・・・
その後、旧海岸線から1kmの地点を目指しましたが、潮に流されて目的の位置まで到達できず。気温が上がり波も出てきたのでそこで引き返しました。
帰宅後、あの現象の起きた場所の座標をメモしておいたので海図に照らし合わせてみました。
(海上保安庁刊行 W1174)
+の印をつけた場所がその位置です。スマホが安物なのでGPSの座標に多少ズレがあるかとは思いますが大体この辺り。旧海岸線からは750m、証言の通り不時着を目撃した漁師さんの家のほぼ真正面の水深10mの地点です。
湖底の様子を確認しようにも10mも水深があるとなれば素潜りでは厳しそうです。
それはそうと、以前から海図を見るたびに気になっていましたがこの#の記号は何なのでしょう。
(海上保安庁刊行 W1174)
少し調べてみるとこの記号は険悪地というものを示す記号だと分かりました。。隣の()内の数字はその水深です。
険悪地とは何かというと・・・
海底に存在する、コンクリート塊、沈木、銅材、その他錨泊、底引きなどの漁業に障害となる、異質物が存在する地点又は区域。
ということらしいです。
これは怪しい・・・。
(海上保安庁刊行 W1174)
この「#」の場所は先ほど印をつけた場所と近く、当時不時着を目撃した漁師さんの自宅のほぼ正面で、旧海岸線から約750mの地点。水深6mの2つの浅瀬に挟まれており、この物体がある場所の水深は12.4m。
矢印が使用したと思われる滑走路、赤い星印が目撃場所、ピンが険悪地です。
どうでしょうか。何も関係のないただのゴミという可能性も捨てきれませんが、それにしても場所が良すぎます。
しかし、水深が12.4mもあるというのが少し気になりますね。
ここの水深は元々6m程度なので12.4mのこの場所はほぼ確実に掘削されて水深が深くなった地点です。(掘削地点には無いというのが当初の予想でした。)
「砂を掘ったのが原因で山のようになって残った浅瀬が崩れて下に落ちた。」とすればなんとなく説明がつきますが・・・
一体これは何なのでしょうか??一式陸攻なのか、それとも冷蔵庫などの粗大ゴミか...
そこで、この険悪地の記号について、海図を作成した海上保安庁に聞いてみました。
すると、いくつかの情報とともに水深測定の記録用紙の写真を送ってくれました。
(諸事情あって、ここの画像は私が書いた模写です。)
この茶柱みたいな棒が例の物体を指します。これではよく分かりませんね・・・
近年海底調査で大活躍しているサイドスキャンソナーのような機材はこの海域の測定には使用しておらず、海保でもこれ以上の情報は持っていないということです。
サイドスキャンソナー(海底面状況探査) | 地形・地質調査 | 沿岸海洋調査株式会社
この物体は高さが80cm程度であるそうです。
飛行機にしては小さすぎますが、この辺りはかなりの深さまでずっと砂地で、さらに砂の掘削のためにかなりの量の砂が動いています。それを考慮すれば物体の大部分が砂に埋もれていたとしても不思議ではありません。
実際、平成4年に鹿児島県西部の吹上浜で引き揚げられた零式水上偵察機は発見当初、このように砂に埋もれてしまっていたそうです。
これなら高さ80㎝といってもありえなくもないような...
とはいってもまぁ、たったこれだけの情報では確定するには至りません。
こればっかりは実際に現地に行って、湖底を見てみるまではこれが一式陸攻なのか、それともただの粗大ゴミなのか判断することができません。
しかし、水深12mまでどうやって行くか、湖底をどうやって見るか、それが非常に難しいのです・・・・・
~続く~