UCHIMACHI BASE

主にバイクやその他の趣味。

YB-1のクラッチ修理。

 以前友人が購入し、整備をした2ストエンジンのYB-1。

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ある日、ybで出かけている友人から電話があった。どうもクラッチが突然切れなくなってしまったらしい。詳細を聞くと走行中、シフトチェンジの際にクラッチを握ったところ「バン!」と音がしてクラッチレバーがスカスカになったとのこと。

思えば、納車時からクラッチのキレが悪かった。グニャ~とした握り心地でどこで繋がるのか分からない感じであった。

 

クラッチワイヤーがどう調整しても余ってしまう状態らしく、このときはワイヤーがほつれて伸びたのではないかと予想。ワイヤーが結構高いので買う気になれずしばらく目いっぱいまで調整してごまかしながら乗っていたが、ようやく修理することになった。

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とりあえずクラッチワイヤーが繋がっている方のクランクケースを開けてみる。

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これがクラッチを切る機構。

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写真中央のレバーがクラッチワイヤーに引っ張られ時計周りに回ることで前方に出てくるようになっている。これがエンジン側のクラッチにつながっているロッドを押すことでクラッチが切れるという仕組みになっているようだ。写真を見てもらうと分かるが、レバーを引っ張っているバネが不自然に伸びているのが分かる。

当初心配していたクラッチワイヤーには何の以上も見られなかった。

 

故障していたのは「プッシュスクリュー」という部品でこの図でいうと19番。クラッチワイヤーがレバーを引っ張る力をクラッチを押す力に変換する重要な部品である。使用頻度が多くかつそこそこの力が加わるパーツであるにも関わらずプラスチックで出来ている...

案の定経年劣化が進み、クラッチの力に耐えられず変形しヒビが入って割れていた。走行中に「バン!」と音がしたのはこのパーツが限界を迎えて弾けた音であったようだ。

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ヤマハのパーツリストを見ているとこの部品だけ対策品が販売されている。ここの故障はYBの持病であるようだ。

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 スクリューのみ単体でも買えるがレバーへの圧入の手間を考えると組付け状態で売っている対策品を買うのもアリ。今回はこのASSYを買った。

 

早速新しい部品と交換する。

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適当にグリスを塗って

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元のように戻すだけ。

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伸びたバネは今回手に入らなかったのでそのまま、伸びていても使えるのでよしとする。一応まだ在庫はあるらしい。

 

 

ということで、クラッチの修理が完了した。納車時からのキレのないクラッチフィーリングも改善し、カチッとした握り心地になった。

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~完~

 

 

01:行灯カブを直して乗る話。

最近、古いスーパーカブを買った。

以前、山中でタウンメイトのエンジンがブローした時、メイトを回収しに行くついでに道中の廃品回収業者から3.5万円で購入した。

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最近はネットの普及で簡単に相場が分かるので、こういう業者も結構高い金額を提示してくるようになった。かえって田舎のバイク屋で不動車を見つけて買ったほうが状態も良いし価格も安い。それでも同じものをヤフオクで買うよりは安い。

 

 

 

今回買ったのは一般的に「行灯カブ」と呼ばれる60~70年代の車体で、あだ名の通りポジションランプが行灯のように光るらしい。もう今の時代行灯なんて使ったことはおろか実物を見たことすらないので、私が見ても「行灯みたいだなぁ」とはおそらく思わないだろう。愛称自体に時代を感じる。

スーパーカブがOHVからOHCに変わった頃のかなり昔のモデルだが、結構よく走るらしい。

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 右から。この年代のカブの特徴はやはり別体式のガソリンタンクとモナカマフラー。

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 前から

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ハンドル周り

ぱっと見た印象は最近のものとあまり変わりがないが、ハンドル径が若干細い。

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マフラー周り。

マフラーはどうやらもうダメそう。完全に腐って中が詰まってしまっている。取り外して振ると腐って土みたいになった鉄がぎっしり詰まっているような感じがした。

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リアブレーキ周辺も構造は今と同じだが、細かい作りが異なる。

 

 

左サイドカバー、味のあるかわいらしい作り。カバーがプラスねじで留まっているのが少し嫌(舐めるので)。

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とりあえず、エンジンを掛けてみる。

レッグシールドを外して、キャブレターを掃除する。

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レッグシールドを外すと、見たことない部品がたくさんある。

黒い胃みたいなのはインテークチャンバーで、見た目の通り「胃袋」と呼ばれているらしい。

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 キャブレターもダウンドラフトタイプとかいう上から吸気して混合気がそのまま下に抜けていく珍しいタイプ。「縦キャブ」と呼ばれている。

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何が悪かったのか、スーパーカブでもかなり初期の頃にしか採用されていない。 

 

なんだこれ...構造が全く違う...

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これはフロート、つまようじみたいなのはフロートバルブ。

ガソリンの流入によってフロートが浮き上がり、フロートについてるこの芯が流入口を塞ぐという仕組み。

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チョークバタフライ

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 残りの構造はよく分からない。

 

 

キャブクリーナーで掃除して再度取り付ける。

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ガソリンタンクの中。若干の錆はあるが50年前の個体であることを考えると状態はかなり良い方だろうと思う。

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オイル交換も忘れずに。

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キックを下すとプラグに火花が飛んだ。点火系は生きているようである。

6Vポイント点火、なんとなくCDIの火花より淡い色の柔らかい火花に見える。

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プラグの型番はC5HSA。

 

 

プラグの汚れをふき取って再度装着し、何回かキックするとあっさりとエンジンが始動した。流石スーパーカブ


行灯カブ 再始動

当たり前だが、よく聞くスーパーカブの音がする。

一点気になったのが、ヘッドライト以外の灯火類が一切点灯しないこと。

電球を新品に交換しても一切点灯しなかった。

 

後日、色々外して充電電圧を測ってみると、どうやら故障しているらしい...

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購入して以来、どうやって直そうかあれこれ考えている。どの程度まで部品を新しくしようか、車体は再塗装するかそのままにするか、電装は12Vにしようとか、ボアアップして70ccで乗ろうとか...

この直す前の時間が一番楽しいのですぐにやってしまわないでゆっくり時間をかけて直していこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

       ~つづく~

 

駆逐艦「蕨」「葦」海中調査記 ~「蕨」の映像撮影に挑む~

前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

 前回の記事では今年5月にアサヒコンサルタント株式会社様のご協力のもと行った駆逐艦「蕨」の調査について、得られたデータの解説とそれを元にした考察などを書いた。そして、前回の終わりにも少し書いていたが先月、9月中旬に駆逐艦「蕨」の追加調査を行った。内容はまず、水中ドローンを用いて5月の調査で確認された「軍艦」と呼ばれる謎の沈没船が本当に「蕨」なのか直接撮影して確認し、その後船体の3Dモデル作成のための写真撮影を行った。

 

今回の調査は鳥取県を拠点として国内外広く研究活動をされている水中考古学者の山舩晃太郎さん、ドローンを用いた遺跡の3Dスキャン等をしておられる東京の民間会社「ワールドスキャンプロジェクト」さん、九州大学浅海底フロンティア研究センターさん、3Dモデル作成の専門家である伊藤さん、東京海洋大学の院生の一ノ瀬さん等多くの方のご協力によって実現されたものであり、今までで一番大きなプロジェクトになった。

今回もボランティアで、つまりは無償で協力していただけることになり、そればかりかワールドスキャンプロジェクトさんには調査に使う船の燃料代まで出資していただいた。本当にありがとうございました。

 

 

前回からの展開が急で、過去記事から読んでも訳が分からないのではないかと思う。そこで簡単にここまでの経緯を説明する。

 

そもそものきっかけは今年の2月末、東京で開かれた「水中戦争遺跡の保護と課題」という講演を聞きに行ったことである。

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内容はミクロネシアでの日本の水中戦争遺跡の現状や保護に向けた現地での取り組みなど....この講演を行っていたのが山舩さんであった。

 5月に予定していたアサヒコンサルタントさんとの調査とその後についてのヒントを得ようと参加したのだが、美保関沖事件のことを紹介すると関心を持っていただいた。また山舩さんの実家と私の家が車で30分かからない同市内にあるという偶然もあって講演以降も連絡を取り合っていたのである。

そして5月、マルチビームによる調査で沈没船らしき物体を発見し、それが7月に地元の新聞で報道されることになった。そこで、得られたデータについて専門家としてのコメントをもらうため再度ご相談させていただき、その際に追加の調査として今回の調査計画が浮上したのである。

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↓山舩さんのホームページ

suichukoukogaku.com

↓今回の調査について。

suichukoukogaku.com

↓調査の結果と「水中慰霊碑」設置の重要性などについて。

suichukoukogaku.com

 

ワールドスキャンプロジェクト

www.worldscanproject.com

youtubeチャンネル。

www.youtube.com

 

九州大学浅海底フロンティアセンター

scs.kyushu-u.ac.jp

↓前回の調査でお世話になったアサヒコンサルタント

www.asahic.co.jp

 

 

テレビ朝日の「報道ステーション」で今回の調査が放送されました。


初の水中撮影 駆逐艦『蕨』93年ぶりに発見(2020年9月21日)

 

 ↓NHK鳥取でも放送されました(掲載期限あり)。

www.nhk.or.jp

 

 

 

 

 

調査0日目。

この日は調査チームの皆さん、それから報道陣を連れて美保関事件の慰霊塔や所縁の地を半日かけて巡った。

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慰霊塔前で調査チームの参拝の準備をする慰霊の会のメンバー

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美保神社

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記念碑の前で美保関事件の説明を受ける一行

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五本松公園の慰霊塔にも

この日は非常に有意義であった。

 5月末のマルチビームでの調査、そして今回のドローンを用いての調査は、複数の民間企業や学者、大学機関等のご協力によって実現されたものであるが、それと同時に昭和2年以来、90年以上慰霊顕彰に努めてきた境港、そして美保関の人々の長年の努力の上に成り立っているものでもある。今回の調査を実施するにあたって調査チームの皆さんにこれまでの地元の活動を少しでも知ってもらう、また地元の人には今までの活動が今回の調査に繋がっていることを感じてもらえれば、今回の一連の調査はきっと双方にとっても、より意義深いものになるだろう。

 

 

 

 

 

そして雨による延期を1日挟みいよいよ調査1日目。

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この日は水中ドローンを用いて「軍艦」の撮影を行うのが主な内容である。
報道陣も多かったため、船を2隻用意し、それぞれに分かれて現地へ向かった。

私が載った「オスプレイ-Ⅴ」がメイン(1号船)の調査船で、ドローンによる撮影はこちらが行う、もう一隻(2号船)は次の日以降に使用する装置の運用試験と、オスプレイの補助が主な任務であった。

 

↓ちなみに2号船はこの時の船をまたお借りした。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

 

午前9時に出港し、前回のように2時間後、「軍艦」の真上に到着した。

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船の魚探で「軍艦」の影を探し真下にあるのを確認すると、早速ドローンを投入する。

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 ちなみに今回使用したドローンだが、水深100mまで行ける性能を有している。聞くところによると数年前に比べて随分と価格が安くなったそうだ。以前は300万円ほどしていた物が、今では50万円以下で買える、驚くことにAmazonで「水中ドローン」と検索すると同じものが売っていた。

 

  多くのテレビカメラが見守る中、海面に浮かぶドローンがボコボコと激しく水しぶきを上げ、潜行を始めた。いよいよ「軍艦」の正体が明らかになるのかと思われたが、これがなかなか難しいのであった。

まず船がうねりと潮に流される、そして風で向きを変える、当然ドローンも潮の流れによって流れていく・・・これらの影響で船のすぐ横に置いたはずのドローンがみるみる遠ざかっていくのである。当然船が流れるのであるから「軍艦」の上に留まるのも難しい、アンカーを下ろしても海底が砂であるためしっかりと掛からず、ずるずると引っ張っているようでまるで意味がなかった。極めつけは海底付近の視界の悪さ、「軍艦」にかなり接近しない限りは四方八方真っ青で何も見えず、海底を見ても永遠に砂地が続くばかりである。さらに船上では液晶ディスプレイに日光が照り付け画面が見えにくくなるのも捜索を難しくした。

 

さらに機材トラブルにも見舞われ、その対応のため調査が2時間以上中断。

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トラブルが一応の解決を見せた頃には時計は午後2時を回っていた。

 

ここで一旦休憩を取り、仕切り直し。

午前中の反省を生かして、船の操作やドローンの降ろし方を工夫する。

 風と潮の流れの向きを読み、そこから船がどう流されるか予想する。そして、その向きを計算に入れながら船を動かし「軍艦」に接近したらアンカーを下ろしてエンジンを止め後は船がどう動くかは天に任せた。

これを「軍艦」の真上で船が停止するまで何度か続けた。

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またドローンが流されるのを防ぐため、ケーブルに重りを追加した。

 

 4、5回目の移動で「軍艦」の直上に留まることに成功した。なかなか掛からなかったアンカーも向きによっては効くようで、風と潮とアンカーの絶妙なバランスで船が止まった。

魚探に「軍艦」の影が映っているのを確認するとすぐさまドローンの準備をする。

先ほどのトラブルで本来使用するはずだったドローンが使用できなくなってしまったため、念のため持ってきていた予備機が投入されることとなった。

 

船と「軍艦」の位置関係を確認してGoサインが出ると、海面に浮かべたドローンが再び深い海へと潜っていく。今度はケーブルに重りがついているため、それに引っ張られるようにして急速に潜行していった。電池を消費せず潜っていくので都合がよいとのことであった。

 

「20m、30m、40m...」と水深が読み上げられ、ドローンは再び「軍艦」の沈む水深96mへと近づいていく。気分はさながら惑星探査機を見守るNASAの管制室であった。

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 5分ほど潜行を続け、もう少しで海底に到達するいうその時「何か見えた!」と声がした。ついに来たか、と思うのと同時に妙な緊張感が込み上げてくる。

私は一目散にモニターへ駆けて行き、映像を見せてもらった。

 

暗幕をめくってモニターを見ると、巨大な沈没船が映っていた。

 

魚礁になっているというのは本当だったようでおびただしい数の魚の大群に囲まれている。船体は全体的にかなり劣化が進んでおりボロボロになっているようだ。

 

 

 この沈没船は駆逐艦「蕨」なのか。

私はとにかくその確証が得たくて映像と手元の写真を何度も交互に見たが、甲板上の構造物は既に崩れてしまっており判断の手がかりがなかなか見つからない。

 

 

しばらくすると先の尖った船体の端が見えた。「軍艦」の西側の端で当初、船尾部分と予想していた部分である。

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写真左側が西 提供:アサヒコンサルタント

映像をじっと見つめる。仮説の通りここが艦尾なら先端は丸みを帯びており下の部分にはスクリューや舵が見えるはずである。

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美保関灯台ビュッフェに展示されている蕨の模型

ドローンが近づいていくとぼんやりしていたその部分が次第にはっきり見えてきた。

どうも艦尾にしては不自然な形状をしている...

先端部は傾斜が掛かっており、丸みは帯びておらず鋭い形状をしていた。海底付近まで行って見せてもらったが、先端部の傾斜はそのまま下まで続いていてスクリューも舵もついていなかった。

 

 

誰がどうみてもこれは艦首である。

しかもよく見るとスプーン型の、駆逐艦「蕨」のそれと非常にそっくりな艦首である。事前の考察が全く外れ、頭の中で何かがひっくり返ったような驚きがあった。

私はこのスプーン型の艦首を見て、これが駆逐艦「蕨」で間違いないと確信した。

 

しばらく画面を見つめていたせいか、さすがに酔ってきた。暗幕から顔を出すと2台のテレビカメラが私のリアクションを撮るべくすぐ目の前まで迫ってきている。少し恥ずかしく思うのと同時にふと我に返った。

「何が見えましたか」と聞かれ、「大きな沈没船が見えました。もしこれが蕨だとすると、当初の予想とは異なり艦首から50mまでの船体前部であると....」などと答えた。

この時は発見に喜ぶというより、次のステップに進めることにただ安堵するばかりであった。

 

 

海底に横たわる「蕨」の船体とそれを取り囲む魚の大群...今まで見たことがない光景でだった。ここは100名以上が亡くなった悲惨な事故の、その現場であるのに、沈没船と魚の大群のコントラストは神秘的と言うほかないほど美しく、感動すら覚えるほどだった...


-Warabi-

 

 

 

その後も数回撮影を続け、午後4時を回ったころ港へ向かって引き返した。

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到着したのは午後6時過ぎ。

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一足先に港へ帰っていた2号船の皆さん+α

 

その後、行きつけの喫茶店で調査の報告会を開き、慰霊の会の会長さんらに報告を行った。

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境港 喫茶「クロ」にて

沈没船が駆逐艦「蕨」と断定されたこと、そしてその姿が撮影できたことを非常に喜んでいただいた。会長さんは40年以上美保関事件の慰霊祭や歴史継承のための活動に関わり、その中で蕨艦長の息子の五十嵐邁さんを始め、遺族の方にも多くお会いしている。

そういう方に喜んでいただけたことは、今回の一連の調査の意義や成果を証明する何よりのものだと思った。

 

またこの時、同時に映像の解析も行った。

船上では太陽光と船酔いでよく見えていなかったが、艦首の他にも強い力が加わり切断されたと思われる船体の断面など沈没船を駆逐艦「蕨」と判断する証拠がいくつか見つかった。

5月のマルチビームでの調査によって得られた、沈没船の全長、全幅、全高のデータと船体形状、海上保安庁と県水産課からの回答、そして今回撮影した映像....これらを総合すると、今回撮影された沈没船はどう考えても駆逐艦「蕨」で間違いないだろう。

 

 この日は私にとっても、また慰霊の会においても、忘れられない一日となった。

 

 

 

 

 

次の日以降も現地へ行き、2日かけて3Dモデル作成のための作業を行った。

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こちらの様子については今回は割愛させていただく。

 

 

 

 

 

以上が、9月に行った水中ドローンによる調査である。

全6回にわたる駆逐艦「蕨」「葦」の調査は、これで一応一段落した。

「蕨」「葦」の調査の話が初めて話題に上がったのは昨年7月のことであったが、その時はまさかここまでのことが出来るとは想像もしていなかった。これもアサヒコンサルタントを始め、山舩さんやワールドスキャンプロジェクト、九州大学など多くの方の賛同とご協力によるものである。

次の活動として、これが最も大切なのだが、今回確認された「蕨」の船体の傍に「水中慰霊碑」を設置する予定である。これは事故で殉職された119名の慰霊に加えて、沈没からまもなく100年を迎える駆逐艦蕨を海の墓標、水中の戦争遺跡として周知し適切に保護していくために必要なことである。

 

詳しくは↓の山舩さんのHPで解説されているので是非ご参照いただきたい。

suichukoukogaku.com

碑についてはある程度計画がまとまってきており、来年4月頃の完成、そして来年5月から開催を予定している美保関沖事件の展示会で展示した後、6~8月頃に現地へ設置する見通しである。

 

 

今回の「蕨」発見によって美保関沖事件が再び話題となった。そしてこれは山陰が舞台となった重要な歴史的事実が新たに周知されるそのきっかけとなったのではないかと思う。

また、慰霊の会を通してこの蕨の調査と今後行う水中慰霊碑設置を水中の戦争遺跡を保護する一つの取り組みの実例として、これから広く発信していきたい。

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~つづく~

 

 

 

 

 

07:CD125Tレストア記。 ~フレームとか諸々~

前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

前回は塗装したエンジンの組み立てを行った。作業自体は1年以上前に行ったのでこのエンジンがどうなったのかはもう分かっているが、今のところきちんと動いている。

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今回は前回とは時系列が前後するが、フレームの再塗装など細々した作業をまとめて書いていく。単純な作業ばかりであるため内容は薄いと思う。

 

 

まずはフレーム。将来的に車体の色を変えるかもしれないと考えていたのでいい加減に塗ることにした。

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akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

 

まずは錆を削り落として表面の塗装を剥がす。

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フレームに錆転換材を塗る。正直この作業は不要だった。

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転換材が乾いたら下地を塗る。

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安いので毎回これを使っている。しかし安いのであまりおすすめしない。

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下地が乾いたら色を塗っていく。今回は純正と同じく黒。

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何度か重ね塗りしてムラがないようにする。

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...フレームの大部分は隠れて見えないのでセーフ...

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同様にしてその他のパーツも塗っていく。

まずはフロントフォークカバー、早速ネジが外れない。

裏からバーナーで炙って、

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熱いうちに貫通ドライバーで回す。

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外れた。

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ネジ穴が死んでいたのでタップで修正する。

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同様に下処理の後、下地を塗って塗装する。

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これも。

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フロントサスペンションも塗った。

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スイングアームも

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黒に塗装。

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続いてトップブリッジ周辺。

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古いグリスを拭き取って

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塗りなおす。ここを外す際、ベアリングの球が転がってどこかへ行ってしまわないように注意。私は6球ほどこぼし、探すのにかなり時間がかかった。

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上も同様にする。

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そしてトップブリッジを取り付ける。ナットを締める際についでにフロントフォークも取り付けた。

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その他の部品も錆と汚れを落とし、塗装した。

リアスプロケット

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リアブレーキ

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ヘッドライト

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ブレーキアーム

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リアサスペンション

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これはマフラーの固定の金具。かなりさびている。

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ワイヤーブラシで削って

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耐熱スプレーで塗った。

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フロントブレーキ

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メーターケーブルの固定ネジが舐めた...どうやらネジ溝まで完全に固着しきっているらしく何をしてもビクともしない。

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裏側の清掃もする。古いグリスをふき取って新しく塗りなおした。

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 仕上げに塗装。

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この時点での完成度はこのくらい。

ある程度主要な部分は綺麗になった。次回以降はまずエンジンが掛けることを目指して作業を進めていく。

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~つづく~

 

06:CD125Tレストア記。 ~エンジン腰上オーバーホール 組み立て編~

 前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

前回はエンジンの塗装をした。

今回はピストンリングを交換し、エンジンを組み立てていく。

 

 

塗装をしてきれいになったエンジン。

覗いてみると内部もそこそこ綺麗だった。コンロッドのがたつきも多分大丈夫だと思う。ガタガタでも部品がないし直せないだろうと思い、あまり確認しなかった。

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こちらはピストン。11万㎞走っているという割には状態が良い。若干擦れたような跡はあるが目立った傷はなく、十分再使用できると思う。というか使うしかない。

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ピストンリング。未だに新品部品があるのが嬉しい。

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リングをピストンにはめていく。トップリング、セカンドリングと位置が決まっており、またそれぞれ上下の向きがある。メッキがトップリング、刻印が上と覚えれば多分間違わない。

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オイルリングも。

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ピストンリングの合口が重なるとそこからエンジンオイルがシリンダー内部に入り込み、オイル上がりの原因となる。組み付ける際は合口同士が被らないようにそれぞれ120度ずつずらすようにする。

 

ピストンを取り付け。INとあるほうがインテーク側。

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ガスケットを入れて

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シリンダーに組み入れていく。

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このエンジンは2気筒360°クランクなので2つのピストンを同時にシリンダーへ入れなければならない。これがかなり難しく、どこかが引っかかって一向に入らなかった。

結局一度ピストンをコンロッドから外し、シリンダーにあらかじめ入れた状態にしてまたコンロッドに取り付けるという方法に変えて何とか挿入できた。

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クランクを回してピストンがスムーズに動くか確認する。

後はガスケット取り付け→ヘッド取り付け→カムシャフトなど諸々という流れである。

早速ガスケットを取り付けようとしたところ、問題発生。買ったガスケットとシリンダーのノックピンの数が違う...

 

年式によってノックピンの数が異なるというのは以前から知っていた。初期のモデルはノックピン4つ、途中から2つに減らされているらしい。私のCDは1979年式のかなり初期のモデルであるのでノックピンは4つ、その年式のパーツリストを見てガスケットを注文したのに届いたのはノックピン2つ仕様...

 

注文を間違えたかと焦っていたら部品に同封されていた説明書に「ノックピンが4つの車体は2つに減らしてください」と書いてあった。

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若干不安に思うものの、ホンダが言うのだから多分大丈夫だろう...大丈夫でなくては困る。

 

説明書の通りにノックピンを減らし、ヘッドを組み付けた。

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後は上死点を合わせてカムシャフト等を取り付ける。

まずポイントの奥にあるTマークをエンジン本体の印に合わせる。これでピストンが上死点の位置に来る。

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この状態でカムスプロケットの〇印がシリンダーに対して水平になるように組み付ける。

もしくはカムシャフトの"コ"となっている切り欠き部分を写真のようにシリンダーに対して水平になるようにすれば上死点が出る。

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とにかく、シリンダーが一番上に来ていてカムシャフト、カムスプロケットの印がシリンダーに対して水平方向になれば良い。

一番簡単な方法は分解する前に油性ペンか何かでカムチェーンとカムスプロケットに位置合わせのための印をつけておくことである。

 

最後にロッカーアーム等を取り付けて規定トルクでボルトを締めれば完了。

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フレームに載せてみた。

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綺麗。

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早速キックを取り付け、数回蹴ってみた。明らかに以前よりキックが重く、スッカスカだった圧縮がしっかりある。

特に変な音もしないので正常に組み付けられているようだ。

 

 

こうして、エンジンの腰上オーバーホールが完了した。すぐにでもエンジンを掛けたかったのだが、電気系の不良やキャブレターの故障等により実際エンジンが掛かったのはこの作業の半年以上後のことである。


CD125T エンジン音01

動画はある程度の修理が終わりエンジンが掛かるようになった時のもの。まだキャブレターの調整が上手くいっておらず吹け上りが悪い。

 

 

次回はフレームなどの整備をしていく。

 

 

               ~つづく~

駆逐艦「蕨」「葦」海中調査記 ~経過報告~

海中調査の様子。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

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 5月末に実施した本調査から数か月、調査で得られたデータを受け取り、あれから色々と考察などしている。

今回は、この沈没船に関してこれまで分かっていること、そしてこれからの調査予定などを書いていこうと思う。

 

 

まずは、海中調査で得られたデータの紹介をする。

 

動画版


駆逐艦「蕨」「葦」海中調査データ 魚礁「軍艦」

 

 

上から見た様子。現段階の推察ではこの船体は2つに折れて沈没した駆逐艦「蕨(わらび)」であり、左側が艦尾、右側は艦橋の後ろ辺りから折れているのではないかと思われる。

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なお、全長は約50m、全幅は約8mで幅は「蕨」とほぼ同じ、船体が折れているので全長はやや短いが艦尾から50mというのは「蕨」でいうところのちょうど艦橋の真後ろの第二砲塔付近に該当する。

 

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参考までに蕨と同型の駆逐艦「樅(もみ)」のプラモデルの設計図と重ね合わせた画像。

本当は設計図でもあればいいのだが、探せど一向に見つからないのでプラモデルの裏表紙で失礼する。

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幅や艦尾までの船体の形状が非常に似ていることがわかるだろう。データは高さで色分けがしてあり、赤に近いほど高くなっているのだがちょうど艦尾と切断面付近が赤くなっている。おそらくだが、艦尾が鉄甲板であるのと切断面付近にはボイラーやタービンなどが配置されていることに関係しているのではないだろうか。

 

 

左舷後方より。

甲板上の構造物などは確認できず、かといって綺麗な平面とも言い難い。

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ビームが当たらなかったところは透明になっているのでどのような形状をしているのかは不明。

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側面に砂が堆積しているのか、沈没船周辺もやや盛り上がっている。

 

 

右舷前方より。

切断面と思われる部分は通常の船では考えられない歪な形状をしていることがわかる。

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スパっと切断されているというよりはすり潰されたような、強い力がかかって折れたような印象を受けるが、これが「蕨」であれば沈没後90年以上は経過しているのでその間の経年劣化を考えると折れているには違いないが何とも言えないところである。

 

やや引いて見た図。

沈没船の周囲は起伏のない砂地の地形で、他の海底障害物などは何もない。

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 以上が今年5月に行った海中調査で得られた結果である。この調査では地元で「軍艦」と呼ばれてきた魚礁が駆逐艦「蕨」に形状が非常に似た沈没船であることが分かった。

また、この沈没船は船体が途中で切断されており、その他の部位も破損が激しく甲板上の構造物などもなぎ倒れているのではないかと考えられる。調査を実施した「アサヒコンサルタント株式会社」様の調査報告書によると、今回使用したマルチビームソナーは浅海用のものであったため水深96mの深海は機材の性能限界に近く、そのため従来よりデータが粗いとのことであった。船体の形状はかなり正確に測定できているが甲板上の微細な構造物まではさすがに把握できなかった。

 

 次に、このデータをどう見るかということについて。事故当時、掃海作業に従事し、慰霊祭を続けてきた地域で長年「軍艦」と呼ばれていた魚礁が本当に沈没船だった。それも「蕨」に形状が近く、船体が折れている。と、ここまでの情報でこれが「蕨」であると断言したいところであるのだが、それがなかなか難しい。

戦後に海難事故で沈んだ貨物船等かもしれない、人工魚礁として沈めた漁船かもしれないなどと考えるとこのマルチビームのデータだけではそれらの可能性が否定できないのである。

実際マルチビームのデータを資料として戦艦大和等の沈没軍艦の調査経験のある呉市の海事歴史科学館「大和ミュージアム」に相談をしたところ、「そのデータだけでは何とも言えない」と、データを見てもらうことさえ叶わなかった。

 

やはりこれが「蕨」だと結論付けるためには最終的に水中ドローン等を用いて船体を直接撮影しなければならないようだ。

しかし、そう簡単に追加調査など出来ない...

そこでまずは少しでも「蕨ではない別の船」という可能性を潰そうと、データを元に海上保安庁と県の水産課に問い合わせを送ってみた。

 

まずは海上保安庁

鳥取県京都府舞鶴市の「第八管区海上保安本部」の管轄になっているので、第八管区海上保安本部の「海の相談室への問い合わせフォーム」から問い合わせを送った。内容は調査の概要と結果、そして今回見つかった沈没船について何か情報を持ち合わせていないかということ。この「軍艦」は沈船としても海底障害物や魚礁としても海上保安庁発行の海図には記載されていないが、何らかの記録は残っているかもしれない。

 

返ってきた回答を見て驚いた。この沈没船は海上保安庁の記録に残っていない未発見のものということであった。過去においては水深30mより深いところの沈没船は航海に支障ないものとして情報があっても海図に掲載しない扱いになっていたようだが、そもそもこの沈没船に関しては全く情報がなかったらしい。

 

海上保安庁の記録にない沈没船とはどのような船なのだろうか。他に似たような事例がないか調べたところ下記のような記事を見つけた。

「越前岬沖30キロに謎の沈没船 戦時中に沈められた可能性も」

福井県越前町の沖合約30キロ(水深約240メートル)の海底に、海上保安庁の記録にも残っていない謎の沈没船があることが、県水産試験場の超音波調査で分かった。沈没船は全長約70メートル、マスト高約16メートルに及び、形状などから近代以降のものとみられる。敦賀海上保安部は「この海域で近年、大きな船が沈んだという事故などの情報は把握していない」としている。

2016年3月29日 福井新聞ONLINE

https://sokuhou.fukuishimbun.co.jp/news/20160329p1.html?ref=tkol

 

 福井県越前岬沖30km、水深240mの海底で海保の記録にない沈没船が見つかったという事例である。この沈没船も美保関の「軍艦」と同様に地元で「シンヤマ」と呼ばれている魚礁であったようだ。

その後の調査でこの「シンヤマ」は戦時中に撃沈された貨物船であることが分かっている。

10mtv.jp

 海上保安庁設立以前の沈没船、それも戦争などやや特殊な事情で沈んだ船に関しては記録が残っていないことがあるようだ。水深が240mと深く、戦前の技術水準では捜索が困難であったという点も記録にない1つの要因だろう。

逆にいえば、戦後に海難事故で沈んだような沈没船についてはほぼ全て記録が残っているのではないだろうか。乗員の少ない小型漁船等が突然行方不明になったならともかく、50m以上にもなるような大型船が沈んで、海上保安庁が救助や捜索に行っていない筈がない。

このことから「軍艦」も海上保安庁設立以前、つまりは戦前に沈んだ船である可能性が高いと考えられる。戦前なら海軍の水路部という組織が海図制作などを担っていたが、この沈没船が記録に残らなかったのは水深が深いためか、それとも別の理由があったのかは定かでない。

また、過去に水深180mの海底で「蕨」を発見したという記録があることから「軍艦」の付近に他の沈没船がないか聞いてみたところ、水深180m付近であれば今回発見された地点から約30km北北西方向に唯一沈没船があるとのことであった。これは流石に違う船だろう。

 

以上のことから美保関沖の「軍艦」については

・沈没したのは海上保安庁設立(1947年)前である可能性が高い。

・付近にその他のそれらしい沈没船は無い。

・「しまね丸」や「NHK松江放送局」が過去に確認した水深180m地点の沈船も同様に記録にないものである。

 といえるだろう。ちなみに調査で得られた情報は全て海保に提供し、航海の更なる安全のため近々「軍艦」は沈没船として正式に海図に記載される見通し。

 

 

続いて鳥取県の水産課。

こちらに聞いたのは魚礁として漁船などを沈める際、それは記録に残るのか、そもそもどのくらいの大きさの船を人工漁礁とするのか、そして「軍艦」が人工魚礁である可能性はあるのか、ということをである。

頂いた回答は下の通り。

回答

県では、昭和29年以降に県が設置した人工魚礁(沈船魚礁を含む)を台帳管理して把握しております。今回の構造物は台帳に記載がないため、県が設置したものではありません。

なお、人工魚礁として沈められた可能性の判断はできませんが、県が設置した最大の沈船魚礁(885空㎡)と比べ、今回の構造物は2,558空㎡(全長54.4m×幅8.4m×高さ5.6m)と大きく、人工魚礁として沈めた可能性は低いと思われます。

 

 まとめると

・「軍艦」は県が設置した人工漁礁ではない。

・沈船魚礁としては明らかに大きすぎる。

ということであった。

 

また、漁業関係の資料として過去にこの「軍艦」「蕨」の記載のある会議議事録を教えて頂いた。

それがこちら、

日本海・九州西広漁業調整委員会 第 15 回 日本海西部会議事録

平成20年10月21日

http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_kouiki/nihonkai/pdf/nn_15.pdf

 これは国が進めていた漁場整備事業、「フロンティア漁場整備事業」に関する会議で好漁場だが、やや問題のある魚礁「軍艦場」として蕨についての言及がある。

 ○事務局(上田) 軍艦場というのは、昔から「蕨」という戦艦が沈んだところで、それが崩れて大変いい漁場になっていると。今は全部崩れていますけども、いまだにいい漁場だと。アカガレイの大変いい漁場だったんですね。
このアカガレイを狙う形態の違う漁業が2種類あります。それは、沖合底びき網漁業ですね。所謂かけ回し。それからもう一つは、2そうびきですね。そこに魚礁を入れることについて、これら2つの漁業において調整が中々図れなかったということで保留にしてあった場所です。
今回のフロンティア事業で魚礁を入れる場所はそこの近くでありますけども、その場所は外してあるということです。
○志幸委員 何だか答えになっていないみたいですけれど、わかりました。その周りにフロンティア計画をしていくということですね。簡単に言えば、漁場が広がるわけですね。
○事務局(上田) そうですね。
○志幸委員 そういうことになるでしょう。好漁場も結局アカガレイを増殖させる。
○事務局(上田) 整備課の方から話をさせます。
○山本漁港漁場専門官 整備課の山本です。
少し補足させていただきますと、現在軍艦場には、過去の沈船がまだ残っているということで、魚礁の機能があります。ただ、その周辺も非常にいい漁場だと聞いておりますので、今、正確には数字を覚えておりませんが、そこからずらしたところへ魚礁を入れていきます。
皆さんのお手元にある資料4の中で、赤碕沖という漁場がちょうど鳥取県の沖合にありますが、第4というところに赤い点がありますけれども、ここに一つ漁場整備をさせていただいているということで、現在、既存の軍艦場の過去の魚礁と連携をさせていただいて、よりこの海域の漁場効果を高めていくという整備をしております。
○志幸委員 星印のところが軍艦場なんですね、赤碕沖漁場の。
○山本漁港漁場専門官 第4です。
○志幸委員 第1、第2、第3というようなフロンティア漁場を設けるということで、今、事業を進めるということなんですね。
○山本漁港漁場専門官 そうです。軍艦場の正確な位置は、ちょうど第4のところに緑の線で曲がっているところがあるんですけど、その近くが軍艦場と言われているところです。

日本海・九州西広漁業調整委員会 第 15 回 日本海西部会議事録

平成20年10月21日

 また、議事録中の「お手元にある参考資料4」というのがこちら。

国が行う漁場整備事業(フロンティア漁場整備事業)について(H19年度~)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_kouiki/nihonkai/pdf/nn21-3.pdf

 

議事録中で言及されている「軍艦場」は今回調査した「軍艦」と同じ地点である。魚礁としての「軍艦」、「蕨」は鳥取県の漁業関係者の間では昔からかなりよく知られた存在であったことが分かる。

 

 

ここまでの結論として「軍艦」は

「戦前に沈没した沈船魚礁ではない沈没船で、船体形状や全幅が「蕨」に似ており、かつ船体が折れている。」

ということが言える。

個人的には「軍艦」は駆逐艦「蕨」で間違いないと確信している。ここまで条件がそろっていて別の船ということはかなり考えにくいと思う。

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今後の予定だが、今年9月中旬に水中ドローンを使った、追加調査を予定している。

(追記予定)

 

 

~つづく~

 

タウンメイト、エンジンブローからの復活。

 前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

以前エンジンを乗せ換えて80ccになったタウンメイト。

馬力が上がって利便性が増したので最近は父の通勤用&遊び用バイクになっている。

3000円で買ってきた時は、1年くらい乗ったら捨てようなどと思っていたものだが、今ではすっかり日常の足として重要な役割を果たしている。雨の日でもあまり気にせず乗れて、なおかつロクに面倒を見なくても基本的にはどこも壊れる気配がない。

 

 

 

そんな週末のある日、「メイトがぶっ壊れた」と出先の父から突然電話が掛かってきた。どうも4速60km/hで巡行中、操作を誤って4→N→1とギアを変えてしまい、その瞬間エンジンが悲鳴を上げて絶命したらしい。いつかやると思っていたが、ついにその時が来たのだなと思った。

 

タウンメイトに限らずロータリーミッションを採用している原付のいくつかは4速(3速)からシフトペダルを二回踏むとニュートラルを通過してそのまま1速に入ってしまう。この時、60km/hで動いている車体に1速の強力なエンジンブレーキがかかることになるが、後は想像に容易いだろう。

エンブレが勝った場合は60km/hから大転倒、負けた場合はクランクが通常あり得ない回転数で回り、その動きに追いつかなかったバルブがピストンにヒットして欠ける、もしくはひん曲がる、またはピストンが焼き付くなどしてエンジンが壊れるのである。

 

現場までメイトを取りに行くと、民家の庭の脇に静かに置いてあった。

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 哀れなメイト。

 

こういう故障をした時はむやみにあちこち触るのはやめたほうが良いに違いないが、どうしても気になったのでその場で症状を軽く確認した。当然転んだものと思っていたが、どうやら転倒は免れたらしい。外装までやられると流石にもう直す気力がなくなるのでその点は助かった。

問題の圧縮を確認する。バルブが割れて燃焼室内に落ちているかもしれない、もしくはピストンが欠けて破片がどこかに挟まっているかもしれないという懸念をしつつも、手でキックペダルを押し下げる。

「スッカスカ」である。

プラグを付けないでキックをした時以上にスカスカである。

これは間違いなくバルブが逝っている。ただ、何か擦れるような音や引っ掻くような音などは一切なく、圧縮が無い点を除けば全く健康そうな感じだった。最悪焼き付きを起こしているかもしれないと思っていたが、スムーズに動くのでその心配はなさそうである。

 

 

とにかく、軽トラで家まで持って帰ることにした。どういう話の流れでこうなったか忘れたが、近くの鉄くず屋に売っていた行灯カブまで持って帰ることになった。

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ガレージに搬入後、分解してどこがどう壊れたのか確認する。

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とりあえずキャブレターとマフラーを取り、エンジンを分解していく。

以前、50ccメイトのピストンリングを交換したことがあるので大体の構造は分かる。

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akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

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ヘッドを取った図。

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ピストン。幸いにも目立った傷や凹みは一切なし。

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 バルブ側。一見普通。どこが壊れたのかわからない。

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どこが悪いのか分からなさ過ぎて一回元に戻した。

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キックペダルを押し下げてみると、やっぱり圧縮が無い。なのでやはりどこかがおかしい。

 

再びヘッドを外して吸排気のポートにそれぞれパーツクリーナーを溜めてみた。バルブがおかしければ漏れてくるはずである。

吸気側は全く漏れなし。一方の排気側は....ドバドバ出てくる...一見大丈夫そうに見えたが歪んでいるようだ。

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これで今回の故障箇所は排気バルブだと分かった。幸いにもその他のパーツは無事であるようだ。想像以上に頑丈に出来ている。

 

 

早速、部品を注文した。

元々腰上のオーバーホールをしようと考えておりピストンリングやガスケットは買いそろえていたので、今回は排気バルブとついでにステムシールを注文。

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生産終了からしばらく経つので純正部品があるか心配だったが、排気バルブは2000円で普通に売っていた。なんとも良心的な価格で助かる。

 

 

2日くらいして部品が届いたので作業再開。せっかくなのでピストンリングも交換する。

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 クリップを外し、ピストンピンを引き抜いてピストンを外す。

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 5万㎞走っているが割と状態のいいピストン。多少の擦り傷はあるが、再利用。

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上のギトギトしたカーボンはガスケットリムーバーで綺麗にした。

 何度使っても慣れない、鼻の奥の粘膜が破壊されるようなすごい臭いがする。

 

 

シリンダーは下のほうが錆びていた。どうもこの辺りはピストンが触れていないらしい。致命的な傷は無さそうなのでこのまま再利用。

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古いガスケットを剥がす。

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オルファ:OLFA スクレーパーS型

オルファ:OLFA スクレーパーS型

  • メディア: Tools & Hardware
 

 

ピストンリング

いつもどれがどれだかよく分からなくなるのだが、メッキがトップリング、刻印がある方が上とだけ覚えておけば大体何とかなる。

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リングを付けたらピストンをコンロッドに取り付け、シリンダーに入れていく。

毎回クリップを留めるのに大変苦労する。CDやスーパーカブのに比べてメイトのピストンクリップは硬いのか、なかなか入ってくれなかった。

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ピストンリング交換時にはシリンダーのホーニングをしたほうが良いというのを見たことがあるのだが、そんな技術はないのでこのまま使用する。

 

これでシリンダー側は終了。フライホイールを回してピストンがスムーズに動くかだけ確認。

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 続いて、ヘッド。

まずはロッカーアームを外すためアームを留めているカラーを引き抜く。カラーの内側にはM8のネジが切ってあるのでそこにボルトを締めこんで引き抜くのだが、これがめちゃくちゃに固い。

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 以前スーパーカブのヘッドを分解したときは傾けて振れば抜けたのでびっくり。

 

ペンチで思いっきり引っ張ってもハンマーで叩いても微動だにしないので、汎用ステーとボルトでこういう装置を作った。材料費400円。

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ボルトの頭を押さえてナットを締めこむとゆっくりとカラーが抜けていく。

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ロッカーアームを取った後、バルブを外す。

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これが問題のエキゾーストバルブ。

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回してみるとよく分かるが、完全に歪んでしまっている。


タウンメイト エキゾーストバルブ

 

バルブ新旧比較。同じ部品と思えないほど見た目が違う。

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雑に擦り合わせをする。

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キジマ(Kijima) バルブタコ棒セット 302-701

キジマ(Kijima) バルブタコ棒セット 302-701

  • 発売日: 2013/01/16
  • メディア: Automotive
 

 

ついでにカーボンも落としてきれいにした。

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バルブスプリング。多分上下がある....ないかもしれない。

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ステムシールを交換したら元に戻していく。

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引き抜くのにあれだけ苦労したロッカーアームのカラーは当然入れる時も同じくらい固い。

指で押したくらいでは全く入っていかなかったので写真のようにM8のボルトをねじ込んだ後、ハンマーでぶっ叩いて強引に入れた。

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カラーが入るかエンジンがぶっ壊れるかというところだった。しかし他に良い方法が思い当たらなかったので仕方ない。

ロッカーアームが付いたらタペットクリアランスの調整をする。タウンメイトのタペットクリアランスが分からなかったのでスーパーカブの「0.05mm」を参考にしてとりあえずその通りに調整した。

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ヘッド取り付け。

スタッドボルトの締め付けトルクもスーパーカブのを参考に「0.9~1.2kg-m」とした。

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最後にマフラーやキャブレターを元に戻して完了。
マフラーは錆が浮いてきていたのでピカールで綺麗にして耐熱クリアを吹いた。

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完成。

エンジンは問題なく始動。吹け上がりも良好。

腰上の汚れを落とした上にピストンリングやステムシール等消耗品は大体交換したのでむしろ前より調子がいい。トコトコと歯切れのよい乾いた音がして乗っていて非常に気持ちが良い。

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今回こそ廃車かと思われたメイトだが、なんとなく直ってしまった。しかし、もう一回同じことをやれば次こそはもう直せないだろう。タウンメイトの80ccエンジンは数も少なく貴重なのだと聞く。今後も通勤快速として長く活躍してもらいたい。

 

 

 

~おしまい~

06:スーパーカブ、エンジン腰上オーバーホール 後編

 前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

 

ヘッド。ロッカーアームとカムを外したところ。

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ロッカーアームはカラーで止まっている。カラーにはM8のネジが切ってあるのでM8のボルトをねじ込んで引っ張るようにすれば外れる。

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バルブスプリングコンプレッサーでバルブを外す。

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外れたバルブ。

こちらは排気側だが、オイル上がりを起こしているのもあって走行距離の割に汚れている方ではないかと思う。

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バルブスプリング。

一見上下の向きは無さそうに見えるが、緑色の塗料が塗ってあり向きが区別されていた。塗料がついている面が上らしい。

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掃除には以前使ったガスケットリムーバーを使う。

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バルブもガスケットリムーバーにつける。

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結構きれいになった。

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ベトベトのピストンも

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同様にきれいにする。

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一通りきれいになったら元に戻していく。

まずはヘッドから。

 

 

バルブステムシールを取り付け。一つ300円くらいと安い割に大事な部品かつここまで分解しないと交換できないパーツなので新品にした。

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部品番号は「12209-GB4-681」

 

 

バルブをかるく擦り合わせた後、スプリング等を組み元に戻していく。

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キジマ(Kijima) バルブタコ棒セット 302-701

キジマ(Kijima) バルブタコ棒セット 302-701

  • 発売日: 2013/01/16
  • メディア: Automotive
 

 

 

続いて、ロッカーアームやカムを取り付ける。

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ロッカーアームのカラーを入れたらヘッドのサイドカバーを取り付ける。

ガスケットを綺麗にはがして新品に交換した。

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 これでヘッドは完了。

 

 

続いてピストンリングの交換。

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メッキがトップリング、黒くガサガサしたようなのがセカンドリングである。それぞれ上下があるので刻印がある方を上にして取り付ける。

リングの合口が被ると圧縮やオイルがそこから抜けてしまうのでずらすようにする。3方向、120°ずつずらすとよいらしい。

 

 

やや不安の残るシリンダー。錆びた部分が削れて若干段差ができているようである。

この段差がオイル上がりの原因ならピストンリング交換では治らないかもしれない。

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ピストンをシリンダーに入れていく。個人的には先にある程度ピストンをシリンダーに入れてしまってからコンロッドに取り付ける方が楽に組める。

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ピストンピンを入れてクリップで留める。

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 シリンダーが入った。

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続いてヘッド。

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カムスプロケットを取り付ける。

フライホイールのTマークをカバーの切り欠きに合わせたとき、カムスプロケットの印とヘッドの切り欠きが合うようにする。

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ヘッドの蓋をつけてボルトを締める。

4本あるうち、オイルが通る左下だけ銅ワッシャー。

ここのナットのトルクは0.9~1.2kg-m

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ヘッドカバーには矢印がついているので矢印の向いている方を下向きにする。

シリンダーの側面部にも2本ボルトが通っているが、このヘッドのスタッドボルトを締めた後に締めこむようにする。

 

 

残りの作業をする。

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出来た。

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エンジンをかけてみると、リング交換前よりも音が軽快で調子がよい感じがする。

ただ、肝心のオイル上がりが微妙に治っていない...アイドリング状態ではあまり問題無いが少し吹かすとやっぱりマフラーから白煙が出てくるようだ。

 

 

 

 

ついでに異常に暗いヘッドライトも修理する。

電球が切れかけているのかと思ったらレギュレーターの故障だった。

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 ヒューズが切れたり、バッテリーが上がったりという以外の症状でレギュレータが故障している時が割とあるので、電装が急におかしくなったらレギュレーターを交換してみると治るかもしれない。

 

 

今回、オイル上がりの修理のためピストンリングを交換したが、結果として完治できなかった。走行距離7000km程度なのでピストンリングの消耗ではなく、他に原因があったのだと思う。多分シリンダーである。純正新品は1万円以上するし、社外の50ccシリンダーは売っているのを見たことがない。さて、どうしたものか...

 

~完~

 

05:CD125Tレストア記。 ~エンジン腰上オーバーホール 塗装編~

 前回の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

前回はエンジンヘッドのオーバーホールをした。実は作業自体は去年の夏のことである。 

これを書いている今現在、車体購入から1年近く経過したが未だにレストアは終わっていない。エンジンを組み立てた後も点火系やキャブの故障でなかなかエンジンがかからず、すっかり参ってしまって作業が進まずにいたのである。機構が古く、情報も少ないため構造を理解して故障部品の代替品を探すのにもかなり苦労した。

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それでも地道に作業を続け、昨日ようやくナンバーを取得し公道を走ってみた。あと数か所の修正で完全にレストアが終了する。

 

 

 

といったところで今回の本題に入る。

今回オーバーホールしているこのエンジン、錆と汚れで外見が非常に汚い。

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真鍮ブラシで綺麗にしようとしてみたが、このエンジンはシリンダー部のフィンが深く、奥までブラシが届かなかった。それに錆が結構深くまで広がっており(特にセルモーター部)、どこまで磨いてもご飯のおこげのような茶色が取れない。

仮に磨いて綺麗な金属光沢が出せたとしてもそれを維持するのは難しく、すぐに錆びてくすんでしまうだろう。銀に光る旧車のエンジンにとても憧れがあるのだが、仕方なく今回は塗装することにした。

 

 

 

まずは下準備。塗装するとはいえできる範囲の錆や汚れはブラシで落とした。 油汚れは塗装をはじいてしまうのでパーツクリーナーで脱脂を念入りにする。本当なら脱脂はシリコンオフがよい。

 

全部塗るのでマスキングはかなりいい加減。エンジン内部に塗料が入らないようにさえすればよい。

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前々回、エンジンの腰上を分解しているので、まだバラバラ状態なのだがマスキングの都合により一度適当に組み立ててから塗装する。

 

↓過去の記事。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

 

今回塗るのはシルバーの耐熱スプレー。

ちょうど スーパーカブのエンジンを塗った1週間前に作業をした。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

 

まずミッチャクロンを下地として吹いてみたが、結論から言うと不要であった。ミッチャクロンの耐熱温度は100℃もない。せっかく耐熱スプレーを使うのにその下地が熱に弱くてはまるで意味がない。

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そうはいってもエンジンを塗るのはこの時が初めてだったので今回は塗ってしまっている。

 

垂れないように少しずつ、凹凸が埋まるように塗っていく。

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近くで見ると微妙だが、離れて見るととてもきれいに見える。

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スプロケカバーと比べるとこれだけ変わった。

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セルモーターは取り外した状態で塗る。

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後は耐熱塗料の焼き入れの作業をしなければならないが、今回はエンジンが大きいので行えない。走れるようになったときに何とか熱で焼き入れできることを期待している。

 

次回はいよいよピストンリングの交換をしてエンジンを組み立てていく。

 

 

 

~つづく~

 

04:CD125Tレストア記。 ~エンジン腰上オーバーホール ヘッド編~

 前回の続き。

akiyuki2119067018.hatenablog.com

 

とりあえず一度腰上を分解したエンジン。

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 今回はヘッドのオーバーホールに挑戦する。

 

 とりあえずまずは分解していく。

バルブを外すための工具。「バルブスプリングコンプレッサー」というらしい。

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こんな感じで使う。

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外れたバルブ。鉛筆の芯のように固くなったススがこびりついている。

多分、かなり汚い方だと思う。

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これはバルブのステムシール。ここが痛んで穴の径が大きくなったりするとオイル下がりの原因になるらしい。

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とりあえずドリルにバルブをつけて真鍮ブラシで磨いてみたりする。

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綺麗になった。

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続いてヘッドのガスケット剥がし。これがかなりの重労働。

40年間圧着されていたためにガチガチに固まってなかなか取れない。それと吸排気のポートに付着した大量のカーボンもどうにかしたい。

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カーボンやへばりついたバスケットはパーツクリーナーではほとんど綺麗にできない。

そこで今回はガスケットリムーバーというのを買ってみた。

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この薬品、かなりキツい臭いがする。塗装の剥離も効果に挙げられていたが、以前使った塗装剥がしと全く同じ臭いがしたのでおそらく成分が同じなのだろう。もしそうなら塗装剥がしの方が安いのでそっちを買った方が得かもしれない。

 ちなみにカーボン汚れならKUREのエンジンコンディショナーも割と効果があった。

 

 

スプレーするとふやけるのでヘラとブラシで掃除する。

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オルファ:OLFA スクレーパーS型

オルファ:OLFA スクレーパーS型

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このくらいで妥協。

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バルブを組む前にすり合わせの作業をする。

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専用のコンパウンドですり合わせをし「光明丹」というインクのようなもので面が出ているか確認をするのが正規の方法らしいのだが、今回はピカールとパーツクリーナーを使用した。

バルブの接地面にピカールを塗りタコ棒にバルブをつけてカンカン叩くように擦り合わせをする。接地と同時にくるっと少しだけバルブを回す感じ。あまり回しすぎるとバルブの接地面が広くなりすぎて駄目になってしまう。

今回は部品を交換していないのでそこまで念入りに擦り合わせる必要はない。

ピカール 金属磨き 300g

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  • 発売日: 2005/09/07
  • メディア: Tools & Hardware
 

 ある出来たらバルブを仮組みし、吸排気のポートからパーツクリーナー(灯油でも)を吹きかけて漏れてこないか確認する。漏れてこなかったら一応擦り合わせは出来ている(ということにした)。

 

 

 

各部の清掃も終わり、準備ができたのでバルブを組み付けていく。

 

 ステムシール新旧比較。古い方はバルブの通る穴が摩耗して広がっている。

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 変形したり傷がつかないように取り付ける。

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バルブスプリング。きちんと向きがあり、間隔がせまくなっている方が下側。小さいほうも同様。

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外した時と逆の手順で組んでいく。

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完成。

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次回以降はエンジンの塗装やピストンリングの交換をしていく。

 

 

 

~つづく~